別室登校とは|教室に入らなくても学校に通う選択肢(仕組み・出席の扱い・1日の過ごし方)
「学校には行けるけれど、教室には入れない」。
そんな状態の子どもにとって、教室以外の部屋で過ごす「別室登校」という形があります。
この記事では、別室登校とはどんな仕組みか、出席や成績はどう扱われるのか、実際の1日の過ごし方の例とあわせて整理します。

1.別室登校とは
別室登校とは、学校には登校するものの、自分の教室ではなく、校内の別の部屋で過ごす登校の形をいいます。
法律で決まった制度ではなく、子どもの状態に合わせて学校が用意する対応の一つです。
使われる部屋は、学校によって主に次のようなものがあります。

保健室
いわゆる保健室登校

相談室
スクールカウンセラーがいる部屋

空き教室など
その子のために開けている部屋

校内教育支援センター
スペシャルサポートルーム
校内教育支援センターは、自分のクラスに入りづらい児童生徒が、落ち着いた空間で自分のペースで学習・生活できる環境として、文部科学省が2023年の不登校対策「COCOLOプラン」で設置を進めているものです。
令和6年7月時点で、全国の公立小・中学校の46.1%(12,712校)に設置されています。
専用の部屋と支援員がいる学校もあれば、保健室や空き教室で教員が見守る学校もあり、形は学校ごとに異なります。
2.1日の過ごし方の具体例
過ごし方は、子どもの状態と学校との相談で決まります。
よくある形を3つ紹介します。

例1:短時間だけ学校にいる形
朝、他の生徒と時間をずらして登校し、別室で読書やプリント学習をして過ごします。
給食の前に帰宅するなど、滞在時間は短めです。
「まずは学校に来る」ことに慣れる段階で多く見られます。

例2:別室を拠点に、一部の授業には参加する形
遅れて登校し、別室で自習や課題を進めながら、参加できそうな授業のときだけ教室に行きます。
テストを別室で受ける形を取る学校もあります。
教室との距離を、少しずつ調整していく形です。

例3:校内教育支援センターで過ごす形
専用の部屋に支援員がいて、学習のサポートや相談を受けながら過ごします。
在籍クラスの授業とオンラインでつないだり、同じ部屋を使う生徒同士で少人数の活動をしたりする学校もあります。
どの形でも、登校する時刻、過ごす部屋、学習の進め方、給食をどうするか、帰り方は、学校と相談して決めていきます。
3.出席や成績の扱い
別室登校は、学校に登校しているため、欠席としては扱われないのが基本です。
文部科学省も、保健室登校であっても学校には登校しているため、欠席者としては扱わないとしています。
一方で、細かい扱いは学校によって異なります。
たとえば、滞在時間によって遅刻・早退として記録される場合や、教科の評定(内申)への反映の仕方が学校ごとに違う場合があります。
別室登校を始める前に、出席の記録の仕方と、成績への反映について、担任の先生に確認しておくと安心です。

なお、高校では話が少し変わります。
高校の単位は科目ごとの授業への出席で判断されるため、別室にいた時間がその科目の欠課として扱われる場合があります。
高校での別室登校を考える場合は、単位との関係を学校に確認する必要があります。
4.別室登校の良さと、難しいところ

良いところ
- 登校する生活リズムを保ちやすい
- 学校や先生とのつながりが残り、様子の変化を共有しやすい
- 教室への距離を、子どものペースで少しずつ調整できる
- 出席として扱われるため、欠席日数を増やさずに過ごせる

難しいところ
- 過ごし方や学習支援の内容は学校によって差が大きく、「部屋にいるだけ」になってしまう場合もある
- 一人で過ごす時間が長くなると、孤立感につながる場合がある
- 教室に戻ることだけが目的になると、子どもにとって負担になる場合がある
別室登校は「教室復帰までの通過点」と決まっているものではありません。
その子にとって無理のない過ごし方の一つとして、学校と相談しながら形を作っていくものです。
5.始めるには
まずは担任の先生への相談から始まります。「教室に入るのが難しいので、別の部屋で過ごす形ができないか」と伝えます。
学校によっては、スクールカウンセラーや管理職の先生も交えて、過ごし方を決めていきます。

決めておくといい点
- 登校する時刻と、滞在する時間
- 過ごす部屋と、見守る先生
- 学習の進め方(プリント、自習、オンラインなど)
- 給食をどうするか
- 体調が悪い日の連絡の取り方

最初から毎日・長時間を目指す必要はありません。
週に数日、短い時間からなど、子どもが続けられる範囲から始めて、様子を見ながら調整していく形が一般的です。
6.まとめ
別室登校は、学校には通いながら、教室以外の部屋で自分のペースで過ごす選択肢です。
出席としては扱われますが、記録の仕方や成績への反映は学校によって異なるため、始める前に確認しておくことが大切です。
校内教育支援センターのように専用の部屋を用意する学校も増えています。
教室か、休むか、の二択で考えず、間にある選択肢として知っておくことが、子どもの居場所を広げることにつながります。



