不登校だと高校受験で不利?内申点・調査書・出席日数を解説
「不登校だと高校受験で不利になるの?」「欠席日数が多いと合格できない?」「内申点や調査書にはどう影響するの?」など、高校進学を考えるとさまざまな不安が出てくるかもしれません。
不登校経験のある生徒の高校入試では、内申点や調査書、欠席日数の扱いが気になるところですが、入試制度は地域や高校によって異なります。
この記事では不登校と高校受験の関係について、内申点・調査書・欠席日数のポイントや、受験前に確認しておきたいことを分かりやすく解説します。
1.不登校だと高校受験で不利になる?
結論からいうと「不登校だから必ず高校受験で不利になる」とは一概にいえません。
都道府県や学校によって選抜方法や調査書の扱いが異なります。
文部科学省より
- 「不登校経験のある生徒について、在籍していた中学校での出席状況だけを理由に不利益な扱いをしない」
- 「自己申告書、学校外での学習状況などを選抜で適切に考慮することが望ましい」

ただし、これはすべての高校で同じ方法が取られているという意味ではありません。
志望する高校の募集要項や、都道府県の最新の入試情報を確認することが重要です。
2.高校受験の「内申点」とは?
内申点とは、一般的には中学校での学習成績などをもとにした評価を指します。
高校入試では学力検査だけではなく、調査書に記載された成績などを選抜の資料として利用する場合があります。
以下の項目については、地域や入試制度によって異なります。
- どの学年の成績を使うのか
- どの教科を評価するのか
- どのように合否判定に利用するのか
「不登校だから内申点が必ずゼロになる」「不登校なら高校受験はできない」と考える必要はありません。
文部科学省も「高校入試において、生徒の個性や長所を多面的に評価するとともに、調査書の学習成績以外の記録についても充実・活用することが望ましい」としています。
3.不登校だと調査書はどうなる?
調査書には学習成績や出席状況、学校での活動などが記載されます。
不登校の場合はどのような内容が記載され、どのように合否判定に利用されるかは、入試制度によって異なります。
「調査書に何が記載されるのか」だけでなく、「その内容が入試でどのように扱われるのか」まで確認することが大切です。

4.欠席日数が多いと高校受験に影響する?
欠席日数が多いからといって、全国どの高校でも同じように扱われるわけではありません。
地域によっては欠席の状況を調査書に記載する場合もありますが、その扱いは入試制度によって異なります。
文部科学省が求めていること
- 「高校入試で調査書を活用する場合、出席状況だけを理由として不登校経験のある生徒を不利益に扱わないよう配慮すること」
- 「欠席理由を説明できる機会を設けること」

5.地域によっては制度が見直されている
例えば宮城県では、令和8年度入学者選抜から公立高校の調査書にあった「欠席の状況」欄が削除されています。
宮城県教育委員会は「この欄について選抜には用いていなかったことなどを踏まえ、令和8年度入学者選抜から削除する」としています。
このように入試制度は変更されることがあります。
「以前はこうだったから」と考えるのではなく、受験する年度の最新情報を確認することが大切です。
6.不登校の生徒に配慮した高校入試もある
不登校を経験した生徒を対象に、一般的な選抜方法とは別に、配慮や特例措置を設けている地域・学校があります。
具体的な内容は以下の例があります。
- 学力検査に加えて面接を行う
- 一部の学年の評定を選考資料にしない
- 自己申告書を提出できる
- 長期欠席者を対象とした特例措置を設ける

対象となる条件や選抜方法はそれぞれ異なるため、必ず最新の募集要項を確認しましょう。
7.学校外での学習が評価される場合もある
不登校の期間中、自宅で勉強したり、教育支援センターやフリースクールなどで学習したりする子どももいます。
文部科学省より
- 「不登校経験のある生徒について、学校外の場や家庭での学習状況などを選抜において適切に考慮することが望ましい」
義務教育段階では、一定の要件を満たす場合に学校外の公的機関や民間施設での学習を「出席扱い」とすることができる制度もあります。
ただし、出席扱いになることと、高校入試でどのように評価されるかは別の問題です。
「出席扱いになったから必ず内申点が上がる」とは限らないため、学校に確認しておきましょう。
8.高校受験に向けて中学生のうちに確認したいこと
不登校の状態から高校進学を目指す場合、早めに情報を集めておくと安心です。

①志望校の入試制度を確認する
まずは志望校の募集要項を確認しましょう。以下のことを確認しておくと安心です。
- 調査書をどのように利用するか
- 内申点をどのように扱うか
- 欠席日数は記載されるか
- 面接があるか
- 自己申告書などを提出できるか
- 長期欠席者への特例があるか

②中学の先生に相談する
高校受験については、担任の先生だけでなく、進路担当の先生に相談するのもおすすめです。
「不登校の期間がある場合、志望校では調査書がどのように扱われますか?」
「欠席日数について確認してもらえますか?」
など、具体的な質問をしてみましょう。

③志望校に直接確認する
入試制度について不明な点がある場合は志望校に直接問い合わせる方法もあります。
特に私立高校や通信制高校などは学校ごとに選考方法が異なる場合があります。
学校説明会や個別相談会などの機会があれば、気になることをまとめて聞いてみましょう。
9.不登校から高校進学を目指すときに大切なこと
高校受験を考えると、「今から勉強を頑張らないと」「遅れを取り戻さないと」と焦ってしまうこともあるかもしれません。
もちろん学習への取り組みは大切ですが、それだけが高校進学の準備ではありません。

子どもの状態に合った進路を考える
高校には、さまざまな学び方があります。
- 全日制高校
- 定時制高校
- 通信制高校
通学日数や学習方法なども含めて進路を考えることが大切です。
子どもが無理なく続けられる環境かどうかも検討しましょう。

今できていることにも目を向ける
学校に行けない期間があっても、さまざまな「できていること」があるかもしれません。
- 家で勉強している
- オンラインで学習している
- 本を読んでいる
- 好きなことを続けている
- 外出できる日が増えた
- 人と話せるようになった
学校に行けているかどうかだけで子どもの成長を判断しないことも大切です。
出願する学校を絞る前に、比べるポイントを確認したい方はこちら。
→通信制高校の選び方|費用・登校スタイル・サポート体制で比べるポイントと資料の取り寄せ方
10.高校受験について不安なときのチェックリスト
受験について考え始めたら、次の項目を確認してみましょう。
入試制度
- 志望校の募集要項を確認した
- 内申点の算出方法を確認した
- 欠席日数の扱いを確認した
- 面接の有無を確認した
- 長期欠席者への配慮があるか確認した
こどもの状態
- 現在の体調や生活リズムを確認した
- 通学できそうな頻度を考えた
- 学習方法について本人と話した
- 本人がどんな高校生活を希望しているか聞いた
周囲への相談
- 中学の先生に相談した
- 進路担当の先生に相談した
- 必要に応じて志望校へ問い合わせた
- 家庭だけで判断せず、複数の情報を集めた
11.「不登校だから高校に行けない」と決めつけなくて大丈夫
不登校の経験があると「高校受験も難しいのでは」と不安になるかもしれません。
高校にはさまざまな入試制度や学び方があり、不登校経験者を対象とした配慮や選抜方法が設けられている場合もあります。
大切なのは「不登校だから無理」と決めつけることではなく、子どもに合った進路と入試制度を探すことです。
入試制度は地域や学校、受験する年度によって変わることがあります。
気になる高校が見つかったら、早めに募集要項を確認し、中学校の先生や高校の相談窓口に問い合わせてみましょう。

12.まとめ
不登校と高校受験について考えるとき、内申点や調査書、欠席日数が気になるのは自然なことです。
この記事のポイントをまとめます。
- 不登校だから高校受験ができないわけではない
- 入試制度や調査書の扱いは地域・高校によって異なる
- 欠席日数の扱いも全国一律ではない
- 不登校経験者への配慮や特例措置を設けている場合がある
- 学校外や家庭での学習を選抜で考慮することが望まれている
- 志望校の最新の募集要項を確認することが大切
- 中学校や志望校に早めに相談しておくと安心
- 子どもの状態や希望に合った進路を考えることも大切
高校受験は子どもにとって大きな節目です。
「周りの子と同じように進まなければ」と焦るのではなく、現在の子どもの状態や希望を大切にしながら無理なく続けられる進路を探していきましょう。
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参考・出典
- 文部科学省「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について」
- 文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
- 文部科学省「不登校生徒に係る特別の教育課程WG」
- 宮城県「令和9年度高校入試関係」
最終更新日:2026年10月
※制度や支援内容は変更される場合があります。最新の情報については、文部科学省、各自治体、学校・教育委員会等の公式情報をご確認ください。


