ひとり親家庭で不登校になったら?支援と対応を解説
子どもが不登校になったとき、ひとり親家庭では「仕事をどうすればいい?」「子どものことを1人で支えられるだろうか」「収入が減ったらどうしよう」など、さまざまな不安を抱えることがあります。
学校への対応に加えて、仕事や家事、生活費なども1人で担うため、負担が大きくなりやすいのもひとり親家庭の悩みとなります。
この記事ではひとり親家庭で子どもが不登校になったときに考えておきたいことや、利用できる支援、仕事と子どもの対応を両立するためのポイントを解説します。
1.ひとり親家庭で子どもが不登校になると、どんな悩みがある?
不登校そのものへの悩みに加えて、ひとり親家庭では生活面での負担が重なりやすくなります。

仕事と子どもの対応を両立する必要がある
学校との連絡や面談、相談機関への訪問など、保護者が対応する機会が増えることがあります。
特に子どもが小さい場合は、家で一人にしておくことが難しく、仕事を休んだり勤務時間を調整したりする必要が出てくる場合もあります。
「仕事を続けたいけれど、子どものことも気になる」という板挟みになることもあるでしょう。

収入への不安が大きくなりやすい
仕事を休む日が増えたり、勤務時間を短くしたりすると、収入への影響が心配になります。
また、子どもの進学や将来の教育費について考えると、「今の働き方で大丈夫なのだろうか」と不安になることもあります。

子どものことを相談できる相手が少ない
夫婦で子どもの対応を分担できないため、学校とのやり取りや進路について、1人で判断しなければならないと感じることもあります。
「自分の対応が間違っているのではないか」と悩んでしまうこともあるでしょう。
2.ひとり親家庭だからこそ、子どもの不登校を1人で抱え込まない
不登校になると「親として何とかしなければ」と考えてしまうかもしれません。
学校に行けない状態が続いているとき、保護者だけで原因を探したり、登校を促したりすることが必ずしも解決につながるとは限りません。
学校の先生、スクールカウンセラー、教育支援センター、自治体の相談窓口など状況に応じて複数の支援先を利用することもできます。


大切なのは保護者1人ですべてを背負わないことです。
「子どものこと」と「生活を維持すること」の両方を考える必要があるからこそ、使える支援を探していきましょう。
3.ひとり親家庭が利用できる主な支援
ひとり親家庭への支援は、大きく分けると「子育て・生活支援」「就業支援」「経済的支援」などがあります。
こども家庭庁では、ひとり親家庭への支援を子育て・生活支援、就業支援、養育費確保等支援、経済的支援の4つの柱で進めています。
児童扶養手当
児童扶養手当はひとり親家庭などの生活の安定と自立を支援するための制度です。
支給には所得などの条件があるため、すべてのひとり親家庭が同じように受給できるわけではありません。
ひとり親家庭向けの生活支援
自治体によってはひとり親家庭の日常生活を支えるための支援を利用できる場合があります。
こども家庭庁の「ひとり親家庭等日常生活支援事業」では、家庭生活支援員による保育、子どもの生活・食事の世話、掃除、買い物などの支援が行われています。
就業支援
ひとり親家庭を対象に仕事探しや就業相談、就業に必要な知識や技能を身につけるための支援などが行われています。
こども家庭庁では、自治体などが実施する「ひとり親家庭等就業・自立支援事業」を通じて、就業相談、講習会、就業情報の提供などを行っています。
ひとり親家庭向けの相談・交流支援
ひとり親家庭を対象に子育てや家計などの相談に対応したり、ひとり親同士が情報交換できる場を提供したりする事業もあります。
こども家庭庁の「ひとり親家庭等生活向上事業」では、生活に関する相談、家計管理に関する講習、ひとり親同士の情報交換などが行われています。
4.不登校の子どもと仕事を両立するためのポイント
ひとり親家庭では子どもの不登校と仕事を完全に切り離すことは難しい場合があります。
そのため「すべてを完璧にこなす」のではなく、無理なく続けられる方法を考えることが大切です。

できることと、できないことを分ける
子どものためにできることを考え始めると、学校との連絡、勉強、生活リズム、進路など気になることが次々に出てくるかもしれません。
すべてを保護者だけで対応する必要はありません。
できることを分けて考えてみましょう。
- 学校との連絡は担任に相談する
- 進路については学校の進路担当にも相談する
- 不登校については専門の相談窓口を利用する
- 家事の一部を簡略化する
- 頼れる家族がいれば協力をお願いする

職場に必要な範囲で相談する
子どもの不登校について職場の人すべてに詳しく説明する必要はありません。
急な対応が必要になる可能性がある場合には上司などに必要な範囲で相談しておくことで、対応しやすくなることがあります。
勤務時間の変更や休暇の利用など、会社で利用できる制度についても確認してみましょう。

子どもの「今」に合わせて働き方を考える
子どもの状態によって必要なサポートは変わっていきます。
最初は家にいる時間を増やす必要があっても、少しずつ一人で過ごせるようになったり、外出できるようになったりすることもあります。
そのため「今後ずっとこの状態が続く」と決めつけず、その時々の子どもの状態に合わせて働き方を見直していくことも一つの方法です。

5.子どもの不登校で経済的に不安になったら
不登校が長引くと保護者の仕事や家庭の収入にも影響する場合があります。
フリースクールや家庭教師、通信教材などを利用する場合には、家庭によっては新たな費用が発生することもあります。
経済的な不安があるときは、まず現在の家計を整理してみましょう。

まず確認したいこと
- 現在利用している手当や助成制度
- 学校関係で利用できる支援
- 自治体独自のひとり親支援
- 子どもの学習や居場所に関する支援
- 就業・資格取得に関する支援
- 家計や生活について相談できる窓口
ひとり親家庭への支援には国の制度だけでなく、自治体が独自に実施しているものもあります。
そのため「自分の住んでいる地域では何が利用できるのか」を確認することが大切です。

6.子どもの不登校と親自身の生活も大切にする
子どもが不登校になると保護者は子どものことを最優先に考えてしまいがちです。
仕事、睡眠、食事、人とのつながりなど保護者自身の生活も大切です。
特にひとり親家庭では保護者が一人で家庭を支えているからこそ、疲れをため込みすぎないことが重要です。

子どものために頑張ることと自分を休ませることは両立できます。
「今日はここまで」と決めたり、家事を簡単に済ませたり、誰かに話を聞いてもらったりすることも、長く子どもを支えていくために必要なことです。
7.まとめ
ひとり親家庭で子どもが不登校になった場合、子どもへの対応だけでなく、仕事や収入、家事などについても考える必要があります。
今回の記事のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 仕事と子どもの対応を両立する負担が大きくなりやすい
- 就業相談や仕事探しを支援する制度もある
- 困ったときは学校や自治体などの相談窓口を利用する
- 子どもだけでなく、保護者自身の生活や休息も大切
- 不登校の対応を保護者1人で抱え込む必要はない
- ひとり親家庭向けの子育て・生活支援がある
- 手当や自治体独自の支援について確認することが大切
制度の内容や利用条件は変更される場合があります。また、自治体によって利用できる支援が異なるため、最新情報はお住まいの自治体や公的機関の窓口で確認してください。
参考・出典
- こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」
- こども家庭庁「ひとり親家庭等日常生活支援事業について」
- こども家庭庁「ひとり親家庭等生活向上事業について」
- こども家庭庁「ひとり親家庭等就業・自立支援事業について」
- 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」
最終更新日:2026年10月
※制度や支援内容は変更される場合があります。最新の情報については、文部科学省、各自治体、学校・教育委員会等の公式情報をご確認ください。


