不登校の子どもの心と体の変化とは?気になるサインと対応を解説
子どもが不登校になると、「学校に行かないこと」だけでなく、気持ちや体調、生活リズムにも変化が見られることがあります。
「最近、元気がない」「朝起きられない」「頭痛や腹痛を訴えるようになった」など、子どもの変化が気になっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、不登校の子どもに見られる心と体の変化や気になるサイン、家庭でできる対応、相談先について解説します。

1.不登校になると心や体に変化が出ることがある
不登校になると、子どもの生活環境や人との関わり方が大きく変わることがあります。
文部科学省の調査でも、保護者から見て以下の状態が見られたケースが報告されています。
- 極度に落ち込んだり悩んだりしていた
- はっきりしない腹痛、頭痛、発熱などがあった
- 昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れた
ただし、こうした変化があるからといって、すべてが不登校そのものによって起きているとは限りません。
原因を急いで決めつけるのではなく「今、子どもにどんな変化が起きているのか」を見ていくことが大切です。

2.不登校の子どもに見られる「心」のサイン
子どもの気持ちの変化には、次のような様子が見られることがあります。
- 元気がなくなった
- イライラすることが増えた
- 不安そうにしている
- 何をするにも面倒そうにしている
- 好きだったことに興味を示さなくなった
- 自分を責めるようになった
- 人と話したがらなくなった
- 外出を嫌がるようになった
- 部屋で過ごす時間が増えた
- 将来について悲観的なことを言うようになった
これらの様子が一時的に見られることは誰にでもあります。
大切なのは以前と比べて大きな変化があるか、長く続いているかという点です。
3.「体」にも変化が見られることがある
心の状態だけでなく、体調に変化が現れることもあります。
- 朝なかなか起きられない
- 夜眠れない
- 昼夜逆転している
- 頭痛を訴える
- 腹痛を訴える
- 食欲が変わった
- 疲れやすくなった
- 体がだるそうにしている
- めまいや吐き気などを訴える
不登校の子どもでは学校に行く時間になると腹痛や頭痛などを訴えることもあります。
ただし、「学校に行きたくないから体調が悪い」と決めつけないことも大切です。
身体的な病気や体調不良が隠れている可能性もあるため、症状が気になる場合は医療機関への相談も検討しましょう。
4.朝起きられない・昼夜逆転しているときは?
不登校になると、学校に合わせた生活をする必要がなくなり、少しずつ生活リズムが変わっていくことがあります。

生活リズムの乱れが続くと、以下のような症状も出てきます。
- 日中に眠くなる
- 疲れやすくなる
- 食事の時間がずれる
- 外出しにくくなる
いきなり元に戻そうとすると、子どもにとって大きな負担になることもあります。
まずはできるところから、少しずつ整えていきましょう。
まずは、
- 朝にカーテンを開ける
- 起きたら水分をとる
- 朝食を無理のない範囲でとる
- 昼間に少し体を動かす
- 夜はできるだけ落ち着いて過ごす
など、できるところから少しずつ整えていく方法があります。
5.無理に「元気にさせよう」としなくてもいい
子どもの元気がないと「何か楽しいことをさせたほうがいいのかな」「外に連れ出したほうがいいのかな」と考えることもあるでしょう。
しかし、心身ともに疲れている時期には、休むこと自体が必要な場合もあります。
こんな声掛けはプレッシャーになることも
- 「早く元気になってほしい」
- 「何かしなきゃ」
- 「いつまで休んでいるの?」
- 「少し外に出てみたら?」

まずは、安心して過ごせる時間や場所があることを大切にしましょう。
6.家庭でできることは「小さな変化を見る」こと
不登校の子どもへの対応では、何か特別なことをしなければならないとは限りません。
- いつもより少し会話が増えた
- 好きなことをして笑っていた
- 食事が少しとれた
- 昨日より眠れた
- 外に出られた
- 自分から何かを始めた
学校に行けたかどうかだけを基準にせず、「今日はどんな一日だったかな」という視点で子どもを見てみましょう。
7.子どもに無理に話をさせなくてもいい
子どもが学校のことを話したがらない場合、無理に聞き出す必要はありません。

子どもが負担に感じるかもしれない声がけ
- 「何があったの?」
- 「どうして学校に行けないの?」
- 「いつになったら行けそう?」
話したくなったときに話せるように、「話したくなったらいつでも聞くよ」と伝えておきましょう。
また、学校の話をしない時間を作ることも大切です。
一緒にテレビを見る、ゲームをする、食事をするなど、学校とは関係のない時間を親子で過ごすこともできます。
8.病院や専門機関に相談したほうがいい場合
子どもの心や体の変化が気になったときは家庭だけで抱え込まないことも大切です。
以下の場合には、医療機関や相談機関への相談を検討しましょう。
- 体調不良が長く続いている
- 頭痛や腹痛などの症状が繰り返される
- 食事がほとんどとれない
- 睡眠が大きく乱れている
- 強い不安や落ち込みが続いている
- 日常生活に大きな支障が出ている
- 子ども自身がつらさを訴えている
不登校については学校や教育委員会だけでなく、医療・福祉などの関係機関と連携して支援することもあります。
こども家庭庁も「地域において教育・医療・福祉などの関係機関が連携した不登校支援の体制づくり」を進めています。
9.どこに相談したらいい?
「病院に行くほどなのか分からない」「学校には相談しにくい」「どこに相談したらいいか分からない」という場合もあるでしょう。
相談先には、例えば次のようなものがあります。

学校
担任の先生や養護教諭、スクールカウンセラーなどに相談できます。
学校との関わり方や子どもの様子について相談したい場合には、まず学校に話してみる方法があります。

教育支援センター・教育委員会
学校以外の相談先として、教育支援センターや教育委員会などがあります。
地域によって名称や支援内容が異なるため、自治体のホームページなどで確認してみましょう。

医療機関
身体的な症状が気になる場合は、まず小児科などに相談する方法があります。
心の状態について気になることがある場合には、子どもの心身の状態を相談できる医療機関を探すこともできます。

こども家庭センター
自治体によっては、子どもや家庭について幅広く相談できる窓口が設置されています。
こども家庭庁の「こども相談ガイド」では、保護者が「子どもへの接し方」「学校に行きたがらない」「子どもの心と体」などの悩みから相談先を探すことができます。
10.「不登校だから病気」と決めつけないことも大切
不登校になったからといって、必ず病気があるというわけではありません。
「朝起きられないから怠けている」「学校に行けないのだから精神的に問題がある」と単純に考えることもできません。
子どもの状態は一人ひとり違います。
大切なのは、不登校という状態だけを見るのではなく、その子自身の変化やつらさに目を向けることです。
そして、家庭だけで判断することが難しい場合には、学校や専門機関などに相談してみましょう。

11.親自身の心と体も大切にしよう
子どもの不登校が続くと、親も不安や疲れを感じることがあります。
- 「もっと何かしてあげなければ」
- 「このままで大丈夫なのかな」
- 「自分の育て方が悪かったのではないか」
しかし、子どもの状態を一人で抱え続ける必要はありません。

家族や学校、支援機関などに相談しながら、親自身も休める時間を確保しましょう。
子どものためにも、親が無理をしすぎないことは大切なことの一つです。
「今日は何もできなかった」と感じる日があっても、子どもと一緒に過ごしたこと自体が支えになっている場合があります。
12.まとめ|子どもの「今」を見ながら、できることから
不登校になると、子どもによっては心や体、生活リズムにさまざまな変化が見られることがあります。
気になるサイン
- 元気がない・落ち込みが続く
- 不安やイライラが増える
- 朝起きられない
- 昼夜逆転する
- 頭痛や腹痛などを訴える
- 食欲が変化する
- 人との関わりを避ける
などがあります。
ただし、これらの変化だけで原因や病気を決めることはできません。
まずは、以前と比べてどんな変化があるのか、子どもがどんな状態なのかを見ていきましょう。
そして、家庭だけで対応することが難しいと感じたときには、学校や教育支援センター、医療機関、自治体の相談窓口などに相談することもできます。
不登校の子どもへの支援では、「学校に戻ること」だけを目標にするのではなく、子どもの心身の状態や気持ちに合わせて考えていくことが大切です。
子どもの「今」を見ながら、できることから少しずつ。
それで十分な場合もあります。
参考・出典
- 文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」
- こども家庭庁「地域における不登校のこどもへの切れ目ない支援事業」
- こども家庭庁「こども相談ガイド」
- こども家庭庁「相談窓口」
最終更新日:2026年10月
※この記事は、不登校や子どもの心身について一般的な情報を紹介するものです。気になる症状がある場合や、子どもの状態について心配なことがある場合は、医療機関や学校、自治体などの専門窓口にご相談ください。


