不登校の子どもがいるひとり親の孤独感|つらいときの心の守り方
不登校の子どもを育てる中で、誰にも悩みを話せなかったり、周囲に理解してもらえないと感じたりすることはありませんか。
ひとり親家庭では、子どものことを考えながら仕事や家事も担うことが多く、気持ちを休める余裕がなくなってしまうこともあります。
「自分が頑張らなければ」と思うほど、孤独や不安を抱え込んでしまうこともあるでしょう。
この記事では、不登校の子どもがいるひとり親が感じやすい孤独感や、つらいときの心の守り方、周囲の人や相談先を頼る方法について解説します。
1.不登校の子どもがいるひとり親が孤独を感じやすい理由
子どもの不登校に向き合う中では、さまざまな感情が生まれます。
特に、家庭のことを1人で担う場面が多いと、自分の気持ちを後回しにしてしまうこともあります。

子どもの悩みを気軽に話せる相手がいない
子どもが学校に行けなくなったとき、誰かに相談したくても、何から話せばよいか分からないことがあります。
身近な人に話しても理解してもらえなかったり、「学校に行かせたほうがいい」といった言葉に傷ついたりすることもあるかもしれません。
子どもの状況を詳しく説明すること自体が負担になり、次第に誰にも話さなくなってしまう場合もあります。

仕事や家事をしながら1人で対応している
ひとり親家庭では、仕事や家事、子どもの生活のサポートなど、複数の役割を1人で担うことがあります。
子どもの体調や気持ちに合わせて予定を変更したり、学校との連絡をしたりすることもあるでしょう。
自分が体調を崩したときや、気持ちに余裕がなくなったときにも、代わりに対応してくれる人がいないと感じると、負担が大きくなりやすくなります。

周囲の家庭と比べてしまう
周囲の子どもが登校している様子や、進学・学校行事の話を聞くと、気持ちが沈んでしまうこともあります。
「どうしてうちの子だけ」「自分の育て方がよくなかったのかな」と考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、子どもの状況や家庭の事情はそれぞれ異なります。
他の家庭と比べて、自分や子どもを責める必要はありません。

子どもの将来が心配で気持ちが休まらない
今の生活だけでなく、高校進学や将来の仕事、経済面など、先のことまで考えると不安が大きくなることがあります。
子どもを支えたいと思う一方で、自分自身の生活も守らなければならず、どうすればよいか分からなくなることもあるでしょう。
こうした不安をすべて1人で解決しようとしなくても大丈夫です。
まずは、自分にも負担がかかっていることを認めるところから始めてみましょう。
2. 「自分が頑張らなければ」と思いすぎない
子どもの不登校に向き合っていると、「親なのだから自分が何とかしなければ」と考えてしまうことがあります。
子どものためにできることを探し、学校や相談機関について調べ、毎日の生活を支えようと努力する保護者も多いでしょう。
しかし、子どもの不登校は、保護者1人の努力だけで解決できるものとは限りません。

すべてを完璧にこなす必要はない
仕事、家事、子どものサポート、自分自身の将来について、すべてを同時に考えていると、心も体も疲れてしまいます。
疲れているときは、家事を簡単に済ませたり、予定を減らしたりしてもかまいません。
毎日きちんとした食事を用意できなくても、家事が思うように進まなくても、それだけで親として失格になるわけではありません。
今の自分にできることと、すぐにはできないことを分けて考えてみましょう。

子どもの問題と自分の人生を分けて考える
子どものことが心配で、自分の時間を持つことに罪悪感を覚える人もいるかもしれません。
しかし、保護者にも休息や楽しみが必要です。
好きなことをする時間や、友人と話す時間、自分の将来について考える時間を持っても、子どもを大切に思う気持ちが変わるわけではありません。
子どものために頑張り続けることだけでなく、自分自身の生活を大切にすることも意識してみましょう。
3.つらいときに試したい心の守り方
孤独感をすぐになくすことは難しいかもしれません。
それでも、気持ちの負担を少し軽くするためにできることがあります。
①自分の気持ちを否定しない
「子どものほうがつらいのだから、自分が弱音を吐いてはいけない」と考えてしまうことはありませんか。
子どもが大変な状況にあるときでも、保護者がつらさを感じるのは自然なことです。
不安、怒り、悲しみ、疲れなど、どのような感情があっても、無理に前向きになろうとする必要はありません。
まずは「今は疲れているんだな」「1人で抱えるのは大変だな」と、自分の気持ちに気づくことから始めてみましょう。

②安心して話せる相手を1人でも見つける
悩みをすべて理解してくれる人を探そうとすると、かえって難しく感じることがあります。
最初からすべてを話す必要はありません。
例えば、次のような相手に、話せる範囲で気持ちを伝えてみる方法があります。
〔 安心して話せる相手の例 〕
- 自分の話を落ち着いて聞いてくれる友人や家族
- 不登校の悩みを共有できる保護者
- スクールカウンセラーや相談員
- 自治体の子育て相談窓口
すぐに解決策が見つからなくても、話を聞いてもらうことで気持ちが整理されることがあります。
身近に話せる人がいない場合は、公的な相談窓口を利用する方法もあります。
③SNSやオンラインのつながりを活用する
身近な人には話しにくい悩みでも、オンラインなら言葉にしやすいと感じる人もいます。
不登校の保護者向けの交流会やオンラインコミュニティなどを探してみるのも1つの方法です。
同じような経験を持つ人の話を読むことで、「自分だけではない」と感じられることもあるでしょう。
ただし、SNSにはさまざまな意見や情報があります。
他の家庭の方法が自分の家庭に合うとは限りません。
読んでいてつらくなったり、他の家庭と比べて苦しくなったりする場合は、無理に見続けなくても大丈夫です。

④1人で過ごす時間を少しだけ作る
子どものことが気になって、常に気を張っていると、気持ちが休まらなくなることがあります。
可能であれば、短い時間でも自分のための時間をつくってみましょう。
長い時間を確保する必要はありません。
数分でも、自分がほっとできる時間を意識してみてください。
〔 自分時間の例 〕
- 好きな飲み物を飲みながら休む
- 音楽や動画を楽しむ
- 散歩をする
- 好きな本を読む
- 誰にも気を遣わずにゆっくり過ごす
⑤将来のことを考えすぎない
子どもの進路や将来の自立について考えると、不安が次々に浮かんでくることがあります。
ただ、まだ決まっていないことをすべて今すぐ解決する必要はありません。
例えば、「今日は子どもの話を聞く」「今週は進路について1つだけ調べる」というように、考える範囲を小さくしてみましょう。
将来について考えることと、今できることに取り組むことを分けると、気持ちを整理しやすくなる場合があります。

4.1人で抱え込まないために利用できる相談先
孤独感や不安が強いときは、家族や友人だけでなく、専門の相談窓口を利用することも選択肢です。

自治体の子育て相談窓口
自治体には、子育てや家庭生活について相談できる窓口が設けられている場合があります。
子どもの不登校についてだけでなく、保護者自身の負担や家庭での困りごとについて相談できることもあります。
どこに相談すればよいか分からない場合は、市区町村の子育て支援担当窓口や公式サイトで確認してみましょう。

不登校に関する相談窓口
学校との関わり方や子どもへの接し方に悩んでいる場合は、学校のスクールカウンセラーや教育相談窓口などに相談できます。
子どもへの支援だけでなく、保護者が感じている不安について話してみてもよいでしょう。
すぐに解決策を決める必要はありません。現在の状況を整理し、今後の対応を一緒に考えてもらうことも相談の目的です。

こころの悩みに関する相談窓口
気持ちの落ち込みや不安が続いているときは、保護者自身の心の健康について相談することも大切です。
厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSなどを利用できる相談窓口が紹介されています。
電話で話すことが難しい場合は、オンラインで相談できる窓口を探す方法もあります。
相談することは、弱さの表れではありません。
つらさが大きくなる前に、利用できる支援につながることも大切です。
5.親子それぞれのペースを大切にする
子どもが不登校になると、保護者は子どもの気持ちを考えながら、学校や進路、生活について判断しなければならない場面が増えることがあります。
その中で、自分の気持ちを後回しにしてしまうこともあるでしょう。
しかし、親子がいつも同じペースで進む必要はありません。
子どもが休息を必要としている時期もあれば、保護者自身が休む必要のある時期もあります。
周囲の家庭と比べたり、理想的な親であろうとしたりするよりも、今の親子にとって無理のない過ごし方を考えることが大切です。

また、子どもの状況がすぐに変わらなくても、保護者の努力が足りないということではありません。
1人で抱えることが難しいと感じたら、家族や友人、学校、相談機関など、頼れる相手を少しずつ増やしていきましょう。
6.まとめ|保護者自身の気持ちも大切にしよう
不登校の子どもがいるひとり親は、子どものことを心配する一方で、仕事や家事、将来への不安など、さまざまな悩みを抱えることがあります。
誰にも話せないと感じたり、自分が頑張らなければと思いすぎたりすると、孤独感が強くなることもあります。
そんなときは、自分の気持ちを否定せず、完璧を目指さずに過ごすことも大切です。
安心して話せる相手を探したり、短い休息の時間をつくったり、相談窓口を利用したりすることも、自分を守るための方法です。
子どもを支える保護者自身も、支えられてよい存在です。
すべてを1人で解決しようとせず、親子それぞれのペースを大切にしながら、頼れる人や場所を少しずつ見つけていきましょう。
参考・出典
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」
- こども家庭庁「相談窓口」
※制度や支援内容は変更される場合があります。最新の情報については、文部科学省、各自治体、学校・教育委員会等の公式情報をご確認ください。


