通信制高校の学費はいくら?公立・私立の違いと3年間の総額

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「通信制高校って、結局いくらかかるんだろう」

学費は進路を考えるときの大きな関心事ですが、通信制高校の学費は学校やコースによって幅が大きく、「年間○万円〜」という表示だけでは比べにくいのが実情です。

この記事では、学費の仕組みと内訳を整理したうえで、実在の学校の金額を使った具体例で、3年間の総額のイメージをつかめるようにまとめました。

1.まず全体像:学費は「3つの層」で考える

通信制高校の学費は、次の3つの層で考えると分かりやすくなります。

大まかな目安は次のとおりです(就学支援金を適用したあとの実質負担)。

タイプ年間の実質負担の目安
公立通信制数万円程度(授業料は実質0円になる)
私立通信制(ネット中心)年7万円前後〜
私立通信制(標準的なコース)年8万〜15万円程度
私立+通学コース/サポート校年30万〜80万円程度まで幅がある

このあと、なぜこれほど差が出るのかを内訳から見ていきます。

2.学費の内訳:授業料は「単位制」が基本

通信制高校の学費は、主に次の項目でできています。

ポイントは授業料の計算方法です。

卒業には74単位以上が必要で、1年間に履修する単位数は25〜30単位が目安になります。

「1単位あたりの単価 × 年間の単位数」で年間の授業料が決まるため、単価の違いがそのまま総額の差になります。

豆電球
  • 公立:1単位336円(全国の公立通信制でほぼ共通)
  • 私立:1単位7,200円(N高等学校・普通科ベーシック)〜12,000円(NHK学園高等学校、N高等学校・普通科)など

3.就学支援金で、授業料はどこまで下がる?

国の「高等学校等就学支援金」は、授業料を支援する制度です。

2026年度(令和8年度)から新制度となり、所得制限がなくなりました。

申請すれば、世帯の収入にかかわらず支援を受けられます。

通信制高校の場合の支給上限は次のとおりです。

(出典:文部科学省「高等学校等就学支援金(新制度)」)

大事な注意点が3つあります。

注意点①

対象は「授業料だけ」。

入学金・施設費・教材費は対象外です。

注意点②

サポート校の費用は対象外です。

注意点③

申請しないと受け取れません。

入学後に学校の案内に従って手続きします。

つまり、授業料の単価が上限の範囲内にある学校では、授業料の実質負担が0円になります。

残るのは入学金や諸経費で、ここが学校ごとの差になります。

なお、学校によって、支援金の見込額をあらかじめ差し引いて請求する「先引き」の仕組みと、いったん支払って後から還付される仕組みがあります。

入学時に必要な金額が変わるので、確認しておくと安心です。

4.具体例で見る、3年間の総額

ここからは、公式に公表されている金額を使った具体例です。いずれも就学支援金を適用した場合の金額です。

学校

例1)公立:東京都立一橋高等学校(通信制)

  • 入学料:500円
  • 受講料(授業料):1単位336円。年30単位を登録すると10,080円で、就学支援金の対象になるため実質0円
  • 教科書・学習書:2〜3万円程度
  • その他:日本スポーツ振興センター共済掛金165円、レポート郵送費など

初年度にかかるのは合計37,000円程度が目安です。

公立は授業料そのものが安く、負担の中心は教科書代やスクーリングの交通費になります。

ただし、公立の通信制高校は在住(または在勤)の都道府県内からしか出願できないのが一般的です。

(出典:東京都教育委員会「東京都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」)

学校

例2)私立・ネット中心:N高等学校 ネットコース

  • 入学金:10,000円(1年次のみ)
  • 施設設備費:50,000円/年
  • 教育関連諸費:13,000円/年
  • 授業料:1単位12,000円(普通科)または7,200円(普通科ベーシック)。就学支援金の範囲内のため、見込額の先引き後は実質0円

学費の合計は、1年次73,000円、2年次・3年次は各63,000円で、3年間で199,000円というのが学校公式のモデルです。

このほかに、スクーリングへの参加費用や、学習に使う端末の費用が別にかかります。

(出典:N高等学校 2027年度募集要項)

学校

例3)私立・標準コース:NHK学園高等学校 スタンダードコース

  • 入学金:50,000円(推薦入学の場合は35,000円)
  • 授業料:1単位12,000円。就学支援金の範囲内のため実質0円
  • 施設設備充実費:20,000円/年
  • 教育運営費:40,000円/年
  • 教材費:1年次 約23,100円、2年次 約21,000円、3年次 約16,800円

年間の合計は、1年次136,200円、2年次84,100円、3年次79,900円で、3年間では300,200円です。

授業料が0円でも、入学金や運営費でこれくらいの負担になる、という一例です。

(出典:NHK学園高等学校 公式サイト「スタンダードコース ベーシックの学費」)

学校

例4)通学コースを選ぶと:N高等学校 週5・週3コース

同じ学校でも、通学するコースを選ぶと金額は大きく変わります。

N高等学校の場合、週3日・オンラインキャンパスのモデルで、ネットコース分と合わせて年556,000円〜です。

3年間では167万円〜が目安になります。

「通信制高校は安い」というイメージは、ネット中心のコースの場合です。

登校日数を増やす・サポートを手厚くすると、その分費用も上がる、と捉えておくと見積もりを誤りません。

(出典:NHK学園高等学校 公式サイト「スタンダードコース ベーシックの学費」)

学校

例5)私立・オンライン中心:ID学園高等学校 オンライン学習コース

  • 入学金:50,000円(推薦入学の場合は35,000円)
  • 基礎学費:1単位9,900円。1年次(30単位)351,000円、2年次(30単位)351,000円、3年次(14単位)192,600円

年間の合計は、1年次401,000円、2年次351,000円、3年次192,600円で、3年間では944,600円です。

就学支援金を利用した場合の実質負担額は、3年間で212,000円が目安として案内されています。


2027年度以降の入学者については、基礎学費が1単位11,200円になる案内が出ています(認可申請中)。


週1日通学のオプションや、週3日・週5日の通学型コースもあり、通学型を選ぶと金額は上がります。


生徒の募集には対象エリアが決まっていて、関東一円と静岡・山梨・長野、兵庫・奈良・大阪が対象です。


(出典:ID学園高等学校 公式サイト「学費のご案内」)

サポート校を併用する場合

サポート校は通信制高校とは別の民間の教育機関で、費用は学校によって非公開のことも多く、年20万〜60万円程度が目安とされています。

通信制高校本体の学費に上乗せされ、就学支援金の対象にもなりません。

検討する場合は、資料や説明会で「通信制高校分の学費と合わせた総額」を必ず確認してください。

たとえば、個別指導で知られる明光義塾が運営する通信制サポート校「明光義塾高等学院」のように、大手の学習塾が運営するサポート校もあります。

費用は学校ごとに異なり、公開されていないことも多いため、気になる学校があれば、まず資料で総額を確認するのが確実です。

サポート校の仕組みや選び方、具体的な学校の例は、こちらの記事にまとめています。

▶通信制高校の「サポート校」とは?仕組み・費用・選び方と、具体的な学校の例

5.授業料以外にかかるお金と、使える支援

学費の見積もりで見落としやすいのが、授業料以外の費用です。

負担を軽くする制度としては、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」があります。

返済不要の給付金で、通信制の場合の給付額(年額・国の基準)は次のとおりです。

豆電球

2026年度から対象世帯が広がりました。

実施するのは都道府県で、金額や申請時期は地域によって異なるため、お住まいの都道府県の案内を確認してください。

このほか、都道府県独自の授業料軽減制度がある地域もあります。

(出典:文部科学省「高校生等奨学給付金」令和8年度リーフレット。給付額は国の基準額です)

6.学費で比べるときのチェックポイント

金額の見え方は学校ごとに違います。気になる学校は資料を取り寄せて、同じ条件で並べて比べるのが確実です。

7.まとめ

通信制高校の学費は、公立か私立か、そして「ネット中心か、通学やサポートを付けるか」で大きく変わります。

就学支援金の新制度で授業料の負担は下がりましたが、入学金や諸経費、サポートの費用は残ります。

だからこそ、1年間の最小額ではなく、3年間の総額と、わが子に必要なサポートの量をセットで考えることが大切です。

選び方そのものについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

通信制高校の選び方|費用・登校スタイル・サポート体制で比べるポイントと資料の取り寄せ方

通信制高校の選び方を、登校スタイル・学費の総額・サポート体制など5つの軸で解説。学費は「総額」で比べる理由、就学支援金の仕組み、資料を取り寄せて確認するポイント…

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参考・出典

・ID学園高等学校 公式サイト
・明光義塾高等学院 公式サイト

※金額は2026年10月時点の公表内容です。年度やコースにより変わるため、最新の金額は各学校の募集要項・公式サイトでご確認ください。