通信制高校の学費はいくら?公立・私立の違いと3年間の総額
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「通信制高校って、結局いくらかかるんだろう」
学費は進路を考えるときの大きな関心事ですが、通信制高校の学費は学校やコースによって幅が大きく、「年間○万円〜」という表示だけでは比べにくいのが実情です。
この記事では、学費の仕組みと内訳を整理したうえで、実在の学校の金額を使った具体例で、3年間の総額のイメージをつかめるようにまとめました。
1.まず全体像:学費は「3つの層」で考える
通信制高校の学費は、次の3つの層で考えると分かりやすくなります。

- 公立の通信制高校:授業料は1単位336円と決まっていて、もっとも安い
- 私立の通信制高校:授業料は1単位7,000〜15,000円程度が中心で、コースによって大きく変わる
- サポート校を併用する場合:通信制高校の学費とは別に、サポート校の費用が上乗せされる
大まかな目安は次のとおりです(就学支援金を適用したあとの実質負担)。
| タイプ | 年間の実質負担の目安 |
|---|---|
| 公立通信制 | 数万円程度(授業料は実質0円になる) |
| 私立通信制(ネット中心) | 年7万円前後〜 |
| 私立通信制(標準的なコース) | 年8万〜15万円程度 |
| 私立+通学コース/サポート校 | 年30万〜80万円程度まで幅がある |
このあと、なぜこれほど差が出るのかを内訳から見ていきます。
2.学費の内訳:授業料は「単位制」が基本
通信制高校の学費は、主に次の項目でできています。
- 入学金(入学時のみ)
- 授業料:履修する単位数 × 1単位あたりの単価、という計算が基本
- 施設設備費・教育運営費など(学校によって名称はさまざま)
- 教材費・教科書代
- その他の諸経費(生徒会費など)

ポイントは授業料の計算方法です。
卒業には74単位以上が必要で、1年間に履修する単位数は25〜30単位が目安になります。
「1単位あたりの単価 × 年間の単位数」で年間の授業料が決まるため、単価の違いがそのまま総額の差になります。

- 公立:1単位336円(全国の公立通信制でほぼ共通)
- 私立:1単位7,200円(N高等学校・普通科ベーシック)〜12,000円(NHK学園高等学校、N高等学校・普通科)など
3.就学支援金で、授業料はどこまで下がる?
国の「高等学校等就学支援金」は、授業料を支援する制度です。
2026年度(令和8年度)から新制度となり、所得制限がなくなりました。
申請すれば、世帯の収入にかかわらず支援を受けられます。
通信制高校の場合の支給上限は次のとおりです。
- 単位制の授業料:私立は1単位13,668円まで、公立は1単位336円まで
- 定額制の授業料:私立は年額337,200円まで、公立は月額520円まで
- 対象になる単位数は、年間30単位まで・通算74単位まで
(出典:文部科学省「高等学校等就学支援金(新制度)」)

大事な注意点が3つあります。
注意点①
対象は「授業料だけ」。
入学金・施設費・教材費は対象外です。
注意点②
サポート校の費用は対象外です。
注意点③
申請しないと受け取れません。
入学後に学校の案内に従って手続きします。
つまり、授業料の単価が上限の範囲内にある学校では、授業料の実質負担が0円になります。
残るのは入学金や諸経費で、ここが学校ごとの差になります。
なお、学校によって、支援金の見込額をあらかじめ差し引いて請求する「先引き」の仕組みと、いったん支払って後から還付される仕組みがあります。
入学時に必要な金額が変わるので、確認しておくと安心です。
4.具体例で見る、3年間の総額
ここからは、公式に公表されている金額を使った具体例です。いずれも就学支援金を適用した場合の金額です。

例1)公立:東京都立一橋高等学校(通信制)
- 入学料:500円
- 受講料(授業料):1単位336円。年30単位を登録すると10,080円で、就学支援金の対象になるため実質0円
- 教科書・学習書:2〜3万円程度
- その他:日本スポーツ振興センター共済掛金165円、レポート郵送費など
初年度にかかるのは合計37,000円程度が目安です。
公立は授業料そのものが安く、負担の中心は教科書代やスクーリングの交通費になります。
ただし、公立の通信制高校は在住(または在勤)の都道府県内からしか出願できないのが一般的です。
(出典:東京都教育委員会「東京都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」)

例2)私立・ネット中心:N高等学校 ネットコース
- 入学金:10,000円(1年次のみ)
- 施設設備費:50,000円/年
- 教育関連諸費:13,000円/年
- 授業料:1単位12,000円(普通科)または7,200円(普通科ベーシック)。就学支援金の範囲内のため、見込額の先引き後は実質0円
学費の合計は、1年次73,000円、2年次・3年次は各63,000円で、3年間で199,000円というのが学校公式のモデルです。
このほかに、スクーリングへの参加費用や、学習に使う端末の費用が別にかかります。
(出典:N高等学校 2027年度募集要項)

例3)私立・標準コース:NHK学園高等学校 スタンダードコース
- 入学金:50,000円(推薦入学の場合は35,000円)
- 授業料:1単位12,000円。就学支援金の範囲内のため実質0円
- 施設設備充実費:20,000円/年
- 教育運営費:40,000円/年
- 教材費:1年次 約23,100円、2年次 約21,000円、3年次 約16,800円
年間の合計は、1年次136,200円、2年次84,100円、3年次79,900円で、3年間では300,200円です。
授業料が0円でも、入学金や運営費でこれくらいの負担になる、という一例です。
(出典:NHK学園高等学校 公式サイト「スタンダードコース ベーシックの学費」)

例4)通学コースを選ぶと:N高等学校 週5・週3コース
同じ学校でも、通学するコースを選ぶと金額は大きく変わります。
N高等学校の場合、週3日・オンラインキャンパスのモデルで、ネットコース分と合わせて年556,000円〜です。
3年間では167万円〜が目安になります。
「通信制高校は安い」というイメージは、ネット中心のコースの場合です。
登校日数を増やす・サポートを手厚くすると、その分費用も上がる、と捉えておくと見積もりを誤りません。
(出典:NHK学園高等学校 公式サイト「スタンダードコース ベーシックの学費」)

例5)私立・オンライン中心:ID学園高等学校 オンライン学習コース
- 入学金:50,000円(推薦入学の場合は35,000円)
- 基礎学費:1単位9,900円。1年次(30単位)351,000円、2年次(30単位)351,000円、3年次(14単位)192,600円
年間の合計は、1年次401,000円、2年次351,000円、3年次192,600円で、3年間では944,600円です。
就学支援金を利用した場合の実質負担額は、3年間で212,000円が目安として案内されています。
2027年度以降の入学者については、基礎学費が1単位11,200円になる案内が出ています(認可申請中)。
週1日通学のオプションや、週3日・週5日の通学型コースもあり、通学型を選ぶと金額は上がります。
生徒の募集には対象エリアが決まっていて、関東一円と静岡・山梨・長野、兵庫・奈良・大阪が対象です。
(出典:ID学園高等学校 公式サイト「学費のご案内」)
サポート校を併用する場合
サポート校は通信制高校とは別の民間の教育機関で、費用は学校によって非公開のことも多く、年20万〜60万円程度が目安とされています。
通信制高校本体の学費に上乗せされ、就学支援金の対象にもなりません。
検討する場合は、資料や説明会で「通信制高校分の学費と合わせた総額」を必ず確認してください。

たとえば、個別指導で知られる明光義塾が運営する通信制サポート校「明光義塾高等学院」のように、大手の学習塾が運営するサポート校もあります。
費用は学校ごとに異なり、公開されていないことも多いため、気になる学校があれば、まず資料で総額を確認するのが確実です。
サポート校の仕組みや選び方、具体的な学校の例は、こちらの記事にまとめています。
▶通信制高校の「サポート校」とは?仕組み・費用・選び方と、具体的な学校の例
5.授業料以外にかかるお金と、使える支援
学費の見積もりで見落としやすいのが、授業料以外の費用です。
- スクーリングの交通費:会場が遠い場合は宿泊費も。学校によっては本校での集中スクーリング(数日間の宿泊型)があります
- 端末・通信費:自宅学習用のパソコンやタブレット、インターネット環境
- 教材費・検定料など
負担を軽くする制度としては、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」があります。
返済不要の給付金で、通信制の場合の給付額(年額・国の基準)は次のとおりです。

- 生活保護世帯:国公立32,300円/私立52,600円
- 住民税非課税世帯(年収270万円未満が目安):国公立50,500円/私立52,100円
- 年収270万〜380万円程度の世帯:国公立16,830円/私立17,370円
- 年収380万〜490万円程度の世帯:国公立12,630円/私立13,030円
2026年度から対象世帯が広がりました。
実施するのは都道府県で、金額や申請時期は地域によって異なるため、お住まいの都道府県の案内を確認してください。
このほか、都道府県独自の授業料軽減制度がある地域もあります。
(出典:文部科学省「高校生等奨学給付金」令和8年度リーフレット。給付額は国の基準額です)
6.学費で比べるときのチェックポイント
- 「年間○万円〜」の最小額ではなく、3年間の総額で比べる
- 授業料の単価と、1年間に履修する単位数の目安を確認する
- 入学金・施設費・運営費など、就学支援金の対象外の金額を確認する
- 通学コースやオプションを追加した場合の金額を確認する
- サポート校を使う場合は、本体の学費と合わせた総額を確認する
- 就学支援金が「先引き」か「後日の還付」かを確認する
金額の見え方は学校ごとに違います。気になる学校は資料を取り寄せて、同じ条件で並べて比べるのが確実です。
7.まとめ
通信制高校の学費は、公立か私立か、そして「ネット中心か、通学やサポートを付けるか」で大きく変わります。
就学支援金の新制度で授業料の負担は下がりましたが、入学金や諸経費、サポートの費用は残ります。

だからこそ、1年間の最小額ではなく、3年間の総額と、わが子に必要なサポートの量をセットで考えることが大切です。
選び方そのものについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
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参考・出典
- 文部科学省「高等学校等就学支援金(新制度)」
- 文部科学省「高校生等奨学給付金」
- 東京都教育委員会「東京都立高等学校 定時制課程・通信制課程 入学案内」
- N高等学校 募集要項(2027年度)
- NHK学園高等学校 公式サイト「スタンダードコース ベーシックの学費」
※金額は2026年10月時点の公表内容です。年度やコースにより変わるため、最新の金額は各学校の募集要項・公式サイトでご確認ください。



